七輪お姉さん

日々のつぶやき

何ヶ月ぶりかに

父がこの時間まで爆発しないで穏やかな父でいてくれています。
昼頃、私が眠ろうとしていた時に部屋にやってきた時は「ああ・・・またなのかな」と思いました。
表情はおかしかったですが、でもこの時はまだ私の目を見ながら話していました。
こういう時はまだ望みがあるんです。
どうしようもない時には目は開いているけれど、何も見ていないような表情になります。
統括センターのIさんに妄想の話をした時に「見えてるんです」と言われたことは勉強になりました。「お父さんの目にはそう見えているんです、いない人が見えているんです」と。
それは勉強になりました。父は幻覚を見ていて、不安なんだということを理解しました。不安で、興奮して、荒ぶる。


昼は「俺は誰もいなくなった本家の家のタンスの中から印鑑を持ってきたから、もし離れている甥があの家にきたときに家の中から物がなくなっていたということになるから、印鑑を渡してくれ」というような内容でした。
私は父に「父さん、大丈夫だよ。もし叔父さんがくるという話を聞いた時には私に教えてね。そしたら私が父さんを乗せて本家に一緒に行って、二人で印鑑を戻してこよう、これはナイショにしよう、約束するね。」と父の手を取って話しました。
父はこの時、いつものように聞き分けなく怒鳴ったりしませんでした。
「うん。わかった。そうしような。うん。」と言いました。


夕方、起きてから郷土料理を作りました。
父は懐かしい料理を作ってもらえた、ということがとても嬉しかったようです。
まるで子供みたいに嬉しそうに喜んではしゃいで食べていました。


そういう父を見ていると、こんな風に家の中で暮らしながら、デイサービスでお風呂に入ってよその人達とおしゃべりして、父の最後の日まで過ごせたらいい、そのことだけ思います。


精神科に入院しないで。
施設に入所しないで。


認知症が本当に憎くてなりません。