七輪お姉さん

日々のつぶやき

面会

病院に行く前は笑顔でしたが。


看護士さん達が四人付き添って父を連れてきて面会することになりました。


父の姿を見たら涙が溢れ出して止まりませんでした。

ずっと大泣きしていました。

父は最初、私が誰か思い出せなかったと思います。

ぼんやり、見ていました。

でも私が看護士さん達が側からいなくなって泣きだしたら、また、前と同じように、「なかないの なかないの」と繰り返し小さな声で言いました。


父が話せたのは、それだけでした。

あとは話そうとしても途中で言葉が消えました。


私が、転ぶと危ないから無理して歩いたりしないんだよ、お父さん、と話すと頷きながら「おまえのいうことを、、、、」まで話しました、あの後には、聞くから、と言いたかったのだと思います。

お父さん、壁に手を当てる時にもぶつからないように気をつけてね、と話した時には返事をしたそうでしたが声が出ないようでした、何度か頷いていました。


でも、看護士さんがやってきて「今日はこのくらいかな?娘さんがまた明日、きてくれるからね^^」と話した時に、私も父のほうを見つめて声をかけても反応がありませんでした。


父はもう40kgもないのでしょう。

入院する前から急激に痩せていましたが、今はもう枯れ木の枝のように頼りない細い体になっていました。


父がいつ亡くなるかわからない、だから今日は強引に面会をさせたのでしょう。良い看護士さん達です。やさしさに感謝します。


口腔ケア用のスポンジもまた用意してほしいです、と頼まれました。


帰りに、私は色々父の為に必要なものをまた買い集めてきました。

今日一日で一万五千円の出費でした。


私は帰り、運転中に、神様、ひどいです、と泣きそうになりました。

父さんが一体どれだけひどいことをこれまでにしたのだとしても、何故こんな罰を与えるんですか?私は許します。父のした全部を許します。もう楽にしてあげてください。これはあんまりです。そう思いました。


善も悪も見る人次第。

同じ人が人によっては善人、人によっては悪人。でもそれが同じ人。

善も悪も人の中で一緒になってる。

だから神にしか裁けない。

父さんが息を引き取れないことが私には残酷に見える。

でもそれは神様にとっては優しさなのでしょうか?

私には、今の私には、今の私に見えるものしかわかりません。

きっと視野が狭いことでしょう。