七輪お姉さん

日々のつぶやき

レスバイトの為の入院に

主治医の先生から「今までずっと娘さんがお父さんのために頑張ってきたことはよくわかってるんです。自宅で、とこだわらなくてもいいんじゃないですか?^ ^ それが無責任なことなんかじゃないんですよ。お父さんは二日後にお迎えがくるかもしれない、半年後かもしれない、それまでずっと頑張るのは無理なんです。お休みしてもいいと思いますよ。お父さんの治療の為の入院でなく、家族の回復の為の入院、それもいいじゃないですか。病院のほうでは入院させてあげられるんですよ。どうしますか?」と、優しく切り出してくれました。


先生と一緒に、父の体は老衰という形で衰えていること、弱っている高齢者の体にむやみに点滴をすることは負担になって心不全の可能性もあること、このまま衰弱していくと肺炎にかかればもう助けられないこと、そして延命処置はつらい時間を長引かせるだけ、そういう諸々の話を一緒にお互いに話しながら、父の入院の手続きをしてきました。


認知症の入院手続きは時間がとてもかかりました。
説明などが丁寧でした。
盲腸、筋腫、などのこれまでの両親の入院は近くの県立でしたが少しの説明をするとすぐに「今すぐリストにあるものを用意してきてください」と言われました。
でも今回は2時間近く説明や質問、確認がありました。
ケースメーカーさんからの説明、手続き書類の記入もありました。
その合間に、認知症の患者さんが強引に部屋に入ってくることが数回あって部屋には鍵がかけられました。
病棟の出入り口のドアは常に鍵の開けしめがされていました。
確実に、病棟の外に脱出する危険がなさそうなことに安心しました。


とりあえず、一ヶ月の一時入院となりました。


病院に向かう途中、父はこれまでならずっと自分の好きな思い出話を何度も繰り返し楽しそうに話していたのに、今朝は一言も話しませんでした。


任意入院でしたので、診察室では「それでいいよ・・・」と言いましたが、診察室の外で病室の準備を待つ間は何度も「入院なんかしねぇ」「もう帰る」「なんで今日なんだ、明日にしろ」など言いました。私は父に「お父さんのためにもう母さんも妹もボロボロなんだよ。あの二人を休ませてあげないとだめだよ。入院の取り消しはだめだよ」と話しました。


病室にいく前、父はホラー映画の悪魔のようになりました。
突然私のほうに凄い勢いで顔を近づけてきて、早口で呪いの言葉のようなものを口にしていました。私を何かが遮断するように父の呪いのような言葉が聞こえなくなりましたが、その前に聞こえたのは、父ではないような声が「おれだけ入院させないで○○(母)も入院させてしまえばいいんだ あんな」そこから後は何も私には聞こえなくなりました。
そして、看護師さんが車椅子に来てくれたとき、父はもう人形のように黙っていました。


あれはなんだったのでしょうね。


妹は昨夜父が徘徊している時の姿は何かが取り憑いたように見えて怖かった、、と話していました。「絶対にあれはもう死んでいる。死んでいて、なにかに操られているんだ」と怯えています。


死に近い父は、あの世とこの世の境をうろうろしているのかもしれないですね。


私も今朝運転している時、私の隣に死人を乗せて走っているような感覚がありました。怖くて、まじないの言葉をつぶやきながら運転していました。