七輪お姉さん

日々のつぶやき

父の健康を振り返ってみて

父はとても健康でした。
いわゆる持病というものを持たず、その為なんの薬も服用していませんでした。
ガンとも縁がなく。前立腺炎の手術くらいでした。


そして、胃腸も丈夫で「食べないほうがいいよ」と私が止めるような、傷みかけたもの、時には確実にそれはもうあかんやろというものを食べてもなんともない人でした。


認知症はどんな人でもなりえる。
健康な人にも襲いかかる。
父を見ているとそう思いました。


でも、健康というものは無力なものではない、とも思います。
父はあれだけ健康であったから、今の生命力があるのでしょう。
食べることができなくなってからもう数日経ちました。
それでも夜中にずっと家の中を徘徊します。
二階と一階をいったりきたりしています。
本当に亀のようにとても遅い歩みですが、自分で歩いています。
骨と皮だけの、筋肉がほとんどなくなっている体で。


認知症でも、健康な体に恵まれていれば、奇妙なピンピンコロリがありえるかもしれませんね。普通なら衰弱して、寝たきりになって、死んでいきます。でも、人の生き死にというものは普通ばかりではないのでしょう。奇妙なことだって起きているのでしょう、私達が普段知らないところで。


父は夜になると、脳の状態が悪くなります。多分認知症にはそれはよくあることなのでしょう。
夜になると何もわからなくなります。
自分の部屋も、家族の記憶も。他の、物、も。
朝なのか夜なのかも、もう何ヶ月も前からわからなくなっています。
家中の電気をつけて徘徊していても、朝だと言いはります。


父は、寝たきりにならず、ポックリと仏さまになるかもしれません。
人の生き死に、わかりませんね。